学校の課題提出がつらい、アルバイトがつらい、就活で面接官の前に座っているのがつらい……。私は人に評価される場面が苦手で、相手のちょっとした表情や言葉から悪い妄想が広がって、落ち込んでしまいます。
そんな落ち込んでどうしようもない心を癒してくれるのは、ゾンビ映画です。ゾンビ映画を見るときは、ゾンビ目線で見ます。肉付きのよいこの人から食べよう、仲間とはぐれたあの人が狙い時、なんて難しいことは考えません。
ゾンビは、音のする方にふらふらっと寄っていって、ぐわあっと口を開いて噛みつきます。それだけです。ゾンビに感情はないので心は無。感情移入なんて必要ありません。本能のままにゾンビが歩けば勝手にストーリーも進んでいきます。
人間側の気持ちになると、ゾンビに噛まれたときにショックです。しかし、自分はゾンビだと思って見ると、人間に銃で撃たれても悲しくありません(ゾンビ愛護な精神をお持ちの方、ごめんなさい)。
そうしてぼんやり画面の中のゾンビに憑依していると、いつの間にか落ち込みなんてどうでもよくなって眠れます。鏡の前でひとり、ゾンビの歩き方の物真似でもしてみれば、謎にテンションが上がります。笑えてきます。友達や家族の前で披露すると人気者になれるオプション付きです。
ゾンビ映画にはスプラッターなシーン、爽快アクションもあって、普通に見ていてもストレス発散になります。さらにここから一歩進んでゾンビになってみると、新しい悟りの境地に至れるような気がしてきます。落ち込んだことが些細なことに感じられます。
ゾンビ映画は、人によっては、見るともっと落ち込んでしまうこともあると思うので、無理におすすめはしません。もし気が向いたら、私と一緒に、ゾンビ最高!私はゾンビ!なゾンビ馬鹿になって楽しい日々を過ごしましょう。